虫歯を発症すると、歯の痛みによって食事に影響が出たり、以前よりも口臭が強くなったりします。
これだけでも十分厄介ですが、さらに虫歯を放置すると、今後は全身疾患を引き起こすことも考えられます。
今回は、虫歯が引き起こす意外な疾患について解説します。
慢性的な胃腸障害
虫歯が進行して歯が崩壊したり、痛みのせいで食べ物を十分に噛めなくなったりすると、食事の際に食べ物を大きな塊のまま飲み込むようになります。
これにより、胃や腸などの消化器官に過度な負担がかかり、慢性的な消化不良や胃痛、便秘、下痢といった胃腸障害を引き起こします。
また、よく噛まないことで消化酵素を含む唾液の分泌量が激減し、胃酸の分泌バランスが乱れて胃炎や逆流性食道炎を招く原因にもなります。
しっかり咀嚼することは、栄養を効率よく吸収するための第一歩です。
しかし、虫歯による咀嚼機能の低下はその基盤を揺るがし、どれだけ健康的な食事を心がけていても、胃腸が荒れて十分な栄養を体に吸収できなくなります。
誤嚥性肺炎
虫歯を放置すると、口腔内で増殖した虫歯菌が唾液や食べ物と一緒に誤って気管に入り込み、肺に達することがあります。
健康な方であれば反射的に咳き込んで排出できますが、高齢者や免疫力が低下している方、睡眠中などは、この防御機能が働かずに細菌が肺で繁殖し、誤嚥性肺炎を発症します。
誤嚥性肺炎は高熱や激しい咳、呼吸困難を引き起こし、日本の高齢者の死亡原因の上位を占める非常に危険な病気です。
虫歯を放置して口の中が細菌の温床になっていると、1回あたりの誤嚥で肺に侵入する菌の量が爆発的に増えるため、肺炎の発症率や重症化のリスクが著しく高まります。
蜂窩織炎
虫歯菌が歯の根の先から顎の骨の内部に侵入し、さらに骨を突き破って感染が広がると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という急性組織感染症を引き起こします。
特に下顎の奥歯の虫歯から感染が広がると、首や喉の周りの組織が短時間でパンパンに腫れ上がります。
この腫れが気道を外側から強く圧迫すると、呼吸困難に陥り、最悪の場合は窒息死する危険性があります。
また、上顎の虫歯から目の周囲や脳へと感染が波及することもあります。
強い痛みに加えて、高熱や全身の震え、倦怠感が現れ、入院して抗生物質の点滴治療を受けなければ治らないほど重篤化します。
たかが虫歯の放置が、突然命を脅かす緊急事態へと豹変するおそろしい例です。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯によってものが噛めなくなると、慢性的な胃腸障害を引き起こす可能性がある
・虫歯を放置すると、口腔内で増殖した虫歯菌が唾液や食べ物と一緒気管に入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こす
・虫歯菌が歯の根の先から顎の骨の内部に侵入し、さらに骨を突き破って感染が広がると、蜂窩織炎という急性組織感染症につながる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!








