歯科業界では、既存の疾患における研究が日々進んでいます。
これにより、口内の疾患を患った方は、適切な治療を受けることができています。
また口内の疾患として代表的なものに歯周病が挙げられますが、当然こちらの研究も行われています。
今回は、歯周病に関する近年の研究内容について解説します。
ペリオドンタルメディシンの研究
歯周病菌やそれによって引き起こされる慢性炎症は、口内だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼすことが分かっています。
こちらをペリオドンタルメディシンといい、近年はこちらが広く研究されています。
こちらの研究では、歯周病は糖尿病の合併症の一つであり、相互に悪影響を及ぼすことが明らかにされています。
また歯周病菌が血流に乗って全身に運ばれ、血管内で炎症反応を起こし、動脈硬化や血栓の形成に関与するメカニズムも研究されています。
さらに低体重児出産や早産、関節リウマチや一部のがん、誤嚥性肺炎と歯周病の関連も研究対象となっています。
新しい診断・治療技術の開発
歯周病に関する近年の研究では、新しい診断や治療技術の開発にも力を入れています。
例えばAI技術を活用した歯周病の早期診断や、唾液中の特定の物質などのバイオマーカーを用いた新たな診断技術の開発が進んでいます。
また新たな治療技術としては、ブルーラジカルが注目されています。
ブルーラジカルは、薬剤と特定の光を併用し、痛みを抑えながら歯周ポケット深部の細菌を効率的に殺菌する技術として開発されています。
これらの研究がさらに進めば、いずれは歯周病の罹患率も大幅に低下することが期待できます。
歯周病の発症メカニズムとリスク因子の解明
近年は歯周病の進行に関わる特定の細菌種の特定や、口内細菌叢全体のバランスの研究も進んでいます。
ここでいう特定の細菌種には、従来知られていなかったものも含まれます。
また喫煙や糖尿病といった修飾可能なリスク因子に加え、遺伝的要因や生活習慣が歯周病の発症や進行に与える影響についても研究されています。
これらの内容については、実はまだ詳細がハッキリしていないことが多くあります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・近年は、歯周病菌が全身の健康に悪影響を及ぼすペリオドンタルメディシンについて広く研究されている
・AI技術を活用した歯周病の早期診断や、新たな治療技術であるブルーラジカルの研究も進んでいる
・歯周病の発症メカニズムとリスク因子についても、細かく研究されている
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!







