歯科クリニックで行われる虫歯治療は、最大限患者さんの負担を軽減するための工夫が行われています。
しかし患者さんによっては、治療中苦しくなり、そのまま治療を継続するのが困難になる場合もあります。
今回は、虫歯治療中に苦しくなってしまう主な原因について解説します。
心理的な原因
歯科クリニックそのものや虫歯治療が苦手な方は、心理的な原因によって苦しさを覚えることがあります。
例えば治療への強い緊張や不安、麻酔の痛みなどによるストレスで、血液の低下や脈拍の減少が起こるケースがあります。
こちらはデンタルショックと呼ばれるもので、気分の悪化や吐き気、顔面蒼白やめまいといった症状につながります。
また強いストレスによって呼吸が速くなりすぎると、体内の二酸化炭素濃度が低下します。
これにより息苦しさやめまい、手足のしびれや動悸などを起こす症状を過換気症候群といいます。
身体的な原因
身体的な原因により、虫歯治療中に苦しくなるというケースもあります。
代表的なものは嘔吐反射で、こちらは口内に器具や材料が入ったとき、反射的に吐き気を催す状態です。
特に歯型を取る材料、レントゲンフィルム、唾液を吸うバキュームなどが嘔吐反射の原因になりやすいです。
また治療中は口を開けているため、普段から鼻が詰まっていて口呼吸をしている方は息苦しくなります。
さらに、虫歯治療中口内に溜まる水が喉に流れ込むと、息苦しさにつながります。
ちなみに長時間口を開け続けることにより、顎関節やその周りの筋肉に負担がかかり、痛みやだるさなどの苦痛が生じることもあります。
虫歯治療中の苦しさにおける対処法
虫歯治療中に苦しくなった場合は、すぐ歯科医師やスタッフに伝えましょう。
声が出せない場合は、手を挙げるなどのサインを事前に決めておくのが有効です。
また身体を少し起こしたり、顔を横に向けたりすることで、苦しさが楽になることがあります。
さらに、緊張が強い方は腹式呼吸を行い、ゆっくりと呼吸することを意識します。
もちろん、苦しさが我慢できない場合、歯科医師に依頼すればこまめに休憩を挟んでもらうこともできます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯治療への緊張や不安が強い場合、デンタルショックを引き起こして苦しさを覚えることがある
・強いストレスによって呼吸が速くなると、体内の二酸化炭素濃度が低下し、過換気症候群につながることがある
・嘔吐反射がある方、常に鼻が詰まっている方なども、虫歯治療中は苦しくなりやすい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!