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【新潟市中央区新潟駅の歯医者で歯周病治療】歯周病と不整脈の関係とは?

歯周病が歯茎の腫れや出血を伴う疾患であることは、周知の事実です。
しかし全身疾患のリスクがあることについて、詳しく把握している方は残念ながら多くありません。
また歯周病が引き起こす全身疾患の中には、非常に危険な疾患や症状も含まれています。
今回は、歯周病と不整脈の関係について解説します。

不整脈の概要

不整脈は、心臓の拍動のリズムや回数が乱れる状態です。

健康な心臓は一定のリズムで規則正しく拍動しますが、不整脈になると脈が速くなったり遅くなったり、不規則になったりします。

また不整脈が起こることにより、動悸やめまい、息切れや息苦しさなどの症状につながることがあります。
さらに、胸の痛みや不快感を引き起こしたり、重度の場合には意識の混濁や失神などを引き起こしたりするケースもあります。

歯周病が不整脈に影響するメカニズム

歯周病は口内の慢性的な炎症ですが、原因となる細菌や炎症性物質が血流に乗って全身に広がり、心臓を含む全身の炎症を悪化させることがわかっています。

この全身性の炎症は、不整脈につながる心臓の繊維化を促進すると考えられます。
広島大学などの研究では、歯周病菌の一種であるP.g.菌がこちらの繊維化を引き起こすことが明らかにされています。

また心臓の繊維化によって心臓の電気信号が乱れ、心房細動(不整脈)が誘発されると考えられています。

さらに、歯周病菌が血流に侵入すると、血小板の活性化や凝集が誘発され、血栓ができやすくなる可能性があります。
血栓は、不整脈に伴う合併症のリスクを高める要因の一つです。

歯周病治療によって不整脈のリスクも軽減する

歯周病治療を受けた心房細動の患者さんは、治療を受けなかった方と比べると、心房細動の再発率が低くなる可能性が示されています。

また定期的な歯科検診や適切なオーラルケアにより、不整脈のリスクを低減できる可能性があるという研究結果もあります。

ちなみに、ここでいう適切なオーラルケアには、丁寧なブラッシングや歯科クリニックでのスケーリングなどが該当します。
歯石はブラッシングでは除去できないため、歯科クリニックでスケーリングによって取り除かなければいけません。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・不整脈は、心臓の拍動のリズムや回数が乱れる状態
・不整脈の症状がひどい場合、意識の混濁や失神を引き起こす可能性もある
・歯周病菌による炎症が全身に広がると、不整脈が誘発されやすくなる
・歯周病治療を受けることで、不整脈のリスクが低減するという研究結果がある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!