歯周病の症状が見られる場合、歯科クリニックで歯周基本治療を受けることになります。
軽度~中程度の場合、これらの治療で症状が改善する可能性が高いですが、それでも改善しない場合は歯周外科治療に移行します。
今回は、代表的な歯周外科治療の一つである歯周ポケット搔爬術のメリットや注意点を解説します。
〇歯周ポケット搔爬術の概要
歯周ポケット搔爬術(そうはじゅつ)は、歯周ポケット内壁に付着しているプラークや歯石を除去する治療です。
対象となるのは、歯周ポケットが4~5mm程度の場合です。
歯周外科治療に該当するものの、基本的にはスケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療と同様の器具で施術が行われます。
ちなみに歯周ポケット搔爬術でも症状が良くならない場合は、また別の外科治療が適用されることもあります。
〇歯周ポケット搔爬術のメリット
中程度の歯周病に適用される歯周ポケット搔爬術を受けることで、汚れや感染した組織は除去されます。
つまり、再び歯周病の症状が出るのを防止しやすいということです。
また歯根面と歯茎の再付着を促し、歯周ポケットを減少させる効果も期待できます。
歯周ポケットが小さくなれば、歯周病の進行を食い止め、将来歯を失うリスクを軽減できます。
ちなみに歯周ポケットの深さは2mm以下であれば健康な状態とされていて、3mm以上になると歯周病の初期症状があると考えられます。
さらに歯周ポケットが1~2mm程度の浅い段階にまで改善すれば、自宅でのセルフケアを徹底することにより、歯茎の腫れも引く可能性が高いです。
〇歯周ポケット搔爬術の注意点
歯周ポケット搔爬術は外科治療であるため、麻酔や切開、縫合などが必要になり、これらは術後の日常生活にも影響を及ぼすことがあります。
例えば術後には一時的な痛みや腫れが生じる可能性がありますし、歯根が食べ物や飲み物に触れやすくなり、知覚過敏を起こすことも考えられます。
完全な回復には、一般的に数週間程度かかります。
また治療後の適切なセルフケアやメンテナンスが行われなかった場合、症状が再発して追加の手術を受けなければいけない可能性もあります。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周ポケット搔爬術は、歯周ポケット内壁に付着するプラークや歯石を除去する治療
・歯周ポケット搔爬術を受けることで汚れや感染した組織は除去され、歯周病の再発を防止しやすくなる
・歯根面と歯茎の再付着を促し、歯周ポケットを減少させる効果もある
・歯周ポケット搔爬術は外科治療であり、治療後は痛みや食事の制限が出ることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!