虫歯になりやすいかそうでないかについては、個人差があります。
ここでいう個人差とは、歯並びや生活環境などの違いが挙げられますが、国籍によっても虫歯のリスクは変わってきます。
また日本人は、他国よりも虫歯が多い国として知られています。
今回はこちらの理由を中心に解説します。
他国と比較した日本人の虫歯におけるデータ
日本人は、他国と比べてそこまで多くの砂糖を摂取しているわけではありません。
例えばオーストラリアが1人につき年間53.1kg、スウェーデンが52.0kg摂取しているのに対し、日本人は19.2kgにとどまっています。
また日本人は真面目であり、他国よりブラッシングも熱心に行っていることがデータで明らかになっています。
それにもかかわらず、虫歯の発症率は高いです。
例えば12歳の子どものデータでは、虫歯の本数がオーストラリアで平均1.1本、スウェーデンで1.0本なのに対し、日本は2.4本と倍以上になっています。
なぜ日本人は虫歯が多いのか?
日本人が他国よりも虫歯を発症しやすいのには、定期検診に対する意識の低さ、歯科衛生士の育成不足などが挙げられます。
予防歯科の先進国として有名なスウェーデンでは、およそ90%以上の方が歯科クリニックで定期検診を受けています。
一方、日本人は歯科クリニックで歯をキレイにするという文化がそこまで定着していません。
また日本では、技術の力の高い歯科衛生士があまり育たないと言われています。
こちらは、保険診療の歯科クリニックでは多くの患者さんをさばくために業務が過密になりがちで、仕事内容が明確でないことが主な理由です。
フッ素の利用が遅れていることも理由の一つ
日本人の虫歯が多い理由としては、他国よりもフッ素の利用が遅れていることも挙げられます。
フッ素は自然界に存在するミネラルの一種で、歯のエナメル質を強化し、虫歯を予防する効果があります。
日本の歯科クリニックでも、フッ素塗布を行っているところは多いですが、現在も患者さんの十分な理解のもと普及しているかというと、少し疑問が残ります。
一方、アメリカでは学童期から歯科保健教育学が組み込まれていて、教科書にはフッ素の虫歯予防効果を説明するイラストが掲載されています。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・日本人は砂糖の摂取量が少なく、しっかりブラッシングをしているにもかかわらず、他国より虫歯になりやすい
・定期検診への意識が低いことが、日本人の虫歯リスクを高める理由の一つ
・日本では技術力の高い歯科衛生士が育ちにくいとされている
・フッ素の利用が遅れていることも、日本人が虫歯になりやすい理由
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!