受け口は不正咬合の一つに数えられるもので、反対咬合とも呼ばれています。
通常の噛み合わせでは、上の歯が前に出ていますが、受け口の場合は下の歯が前に突出する形になっています。
また受け口と似たような顔貌に、しゃくれというものがあります。
今回は、受け口としゃくれの主な違いを解説します。
原因
受け口としゃくれとでは、まず原因が異なります。
受け口は下の歯が上の歯よりも前に出ている状態のため、骨格ではなく歯並びが原因で生じます。
言い換えるなら、歯の配置がずれているというイメージです。
一方、しゃくれは顎の骨格自体が前に突出している状態です。
つまり、骨格が原因で発症しているということです。
またしゃくれは骨格が原因であるため、両親の骨格が遺伝するとその子どももしゃくれになりやすいです。
これに対し受け口は、しゃくれが遺伝したときに、歯並びもあわせて遺伝することで発症するケースが多いです。
該当する症状
受け口としゃくれとでは、該当する症状も微妙に異なります。
何度も言うように、受け口は下の歯が上の歯よりも前に出ている状態です。
歯並びが原因で起こるものであるため、これ以外は受け口に該当しません。
一方、しゃくれは顎が前に出ていることだけでなく、顎が長いことも症状に含まれるケースがあります。
つまり、正確には顎が前に突出していなくても、顎が長いだけでしゃくれという扱いになることもあるということです。
ちなみに顔の輪郭が細長い方は、必然的に顎も細くシャープになりますが、このような状態もしゃくれと判断されることがあります。
治療方法
受け口としゃくれは、治療方法も異なります。
受け口を治療する際は、歯科クリニックで矯正治療を受けるのが一般的です。
矯正装置によって少しずつ歯を動かすことで、下の歯が徐々に後退していき、正しい噛み合わせに戻る可能性があります。
一方、しゃくれは矯正治療では治せないことが多いです。
どちらかというと、顎の骨を削る美容整形手術で改善を目指すケースが一般的です。
特に重度のしゃくれの場合、下顎の骨を切り、正しい位置に移動させなければ治すのは難しいです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・受け口は歯並び、しゃくれは骨格が原因で生じるもの
・しゃくれは顎が前に出ていることだけでなく、顎が長いことも含まれるケースがある
・受け口を治療する際は、歯科クリニックで矯正治療を受けるのが一般的
・しゃくれは顎の骨を削る美容整形手術でなければ改善されないことがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!