喫煙にはリラックス効果があり、日頃の疲れを癒すために嗜好品として喫煙をしている方も多いでしょう。
しかし、多くの方がご存知の通り、喫煙には身体へのデメリットが多く存在します。
また、インプラント治療との相性も良くありません。
今回は、インプラント治療と喫煙の関係を中心に解説します。
〇喫煙によって人工歯根が定着しにくくなる
インプラント治療中は、原則禁煙をしなければいけません。
なぜなら、喫煙によって人工歯根が顎の骨に定着しにくくなる可能性があるからです。
タバコには、ニコチンという成分が含まれていて、こちらには血管を収縮させる作用があります。
血管が収縮すると、血流が阻害され、人工歯根を支えている歯茎に酸素や栄養がきちんと行き渡らなくなります。
その結果、人工歯根がなかなか定着せず、治療期間が長引くおそれがあります。
また治療後の傷口が塞がりにくくなることにもつながります。
〇喫煙による唾液の減少はさまざまなデメリットにつながる
喫煙をしている方は、非喫煙者の方に比べて唾液の分泌量が減少しやすいです。
こちらはインプラント治療における細菌感染のリスクを高めます。
インプラント治療は外科治療を伴うため、埋入した人工歯根の周辺で細菌感染が起こる可能性があります。
通常こういったケースはそれほど多くありませんが、喫煙によって唾液の分泌量が減少していると、菌が洗い流されず細菌感染は起こりやすくなります。
また細菌感染により、インプラント周辺の歯茎が炎症を起こしやすくなります。
炎症が生じると当然痛みが出ますし、さらに進行すると骨が痩せたり、人工歯根が脱落したりすることも考えられます。
〇インプラント治療前後はどれくらい禁煙すべき?
喫煙によるインプラント治療のリスクを軽減させるためには、治療期間中だけでなく、治療前後も禁煙するべきです。
禁煙の期間ですが、術前に関しては3週間程度、術後は2~3週間程度が目安です。
また喫煙はそもそもがんやその他の全身疾患のリスクを高めるため、インプラント治療後は指定された期間を過ぎたとしても、そのまま禁煙し続けるのをおすすめします。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・インプラント期間中に喫煙すると、人工歯根が顎の骨に定着しにくくなる可能性がある
・喫煙によってインプラント治療の傷口が塞がりにくくなることもある
・喫煙による唾液の減少は細菌感染、インプラント周囲炎などのリスクを高める
・インプラントの治療期間中だけでなく、術前や術後も一定期間禁煙すべき
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!