歯科クリニックの中には、マイクロスコープを導入しているところもあります。
こちらはさまざまな治療に用いられる優れもので、歯科クリニックの設備を見るときは歯科用CTなど同じく注目すべきです。
しかし、マイクロスコープを使用した治療にはいくつか注意点があります。
今回はこちらの点を中心に解説します。
マイクロスコープの概要
マイクロスコープは、肉眼で見えにくい患部を最大20倍程度にまで拡大し、明るく照らすことで、診断や治療の精度を飛躍的に向上させる役割を果たすものです。
具体的には根管のヒビや分岐、感染源などを正確に特定し、最小限の切削で治療することが可能です。
また拡大視野で患部を正確に捉えることにより、健康な歯を不必要に削ることを防ぎます。
さらに詰め物や被せ物を隙間なく装着できる点や、治療時間が短縮できる点、患者さんが治療内容を確認できる点などもメリットです。
マイクロスコープを使った治療では治療費に注意
歯科クリニックでマイクロスコープを使った治療を受ける場合、患者さんは治療費に注意しなければいけません。
マイクロスコープは高価な機器であり、歯科クリニックは多額の費用をかけて導入しています。
そのため、マイクロスコープを使った治療は、保険診療の範囲を超えて自由診療になるケースが多いです。
自由診療の場合、患者さんは治療費を10割負担しなければいけないため、当然費用負担は大きくなります。
特に根管治療を受ける場合、自由診療になると思いの外金額が高くなることがあるため、あらかじめ留意しておきましょう。
マイクロスコープの効果は歯科医師の腕に左右される
マイクロスコープは確かに優れた機器ですが、こちらはあくまでツールの一つです。
その性能を最大限に引き出すには、歯科医師の熟練した技術が不可欠です。
使いこなすには練習と経験が必要で、慣れていない歯科医師の場合はかえって治療に手間取ったり、視野が狭くなったりするおそれがあります。
またマイクロスコープは治療時間の短縮化につながりますが、経験が乏しい歯科医師の場合は1回あたりの治療時間が長くなることがあります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・マイクロスコープは、肉眼で見えにくい患部をまで拡大し、明るく照らすことで、診断や治療の精度を飛躍的に向上させる機器
・マイクロスコープを使った治療は、保険診療の範囲を超えて自由診療になるケースが多い
・マイクロスコープに慣れていない歯科医師の場合は治療に手間取ったり、視野が狭くなったりすることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!