口内で発生するトラブルと言えば、やはり代表的なものには虫歯や歯周病が挙げられます。
しかし、実際は他にもさまざまなトラブルが存在し、あまり知られていないところでいうとアンキローシスがそれにあたります。
今回は、アンキローシスの概要や原因、デメリットについて解説します。
アンキローシスの概要
アンキローシスは、歯と顎の骨が癒着してしまい、矯正治療などで歯を動かせなくなる状態です。
通常歯は歯根膜という組織を介して顎の骨と結合していますが、アンキローシスでは歯根膜が失われ、歯と骨が直接くっついてしまいます。
症状は特にないケースが多く、発症していても気付かないということも珍しくありません。
また歯を移動させることができないため、その歯の歯並びが悪かったとしても、一般的な矯正治療で対応するのは難しくなります。
アンキローシスの原因
アンキローシスの主な原因としては、外傷や炎症、先天的な要因などが挙げられます。
転倒やスポーツなどの事故で歯を強打すると、歯根膜を損傷し、アンキローシスを引き起こすことがあります。
特に乳歯をぶつけてしまった場合、それが永久歯のアンキローシスにつながることも考えられます。
また歯が生える過程において、周囲の骨に炎症が起こると、歯根膜が損傷してアンキローシスになることがあります。
さらに深い虫歯が進行し、歯根にまで感染が及ぶと歯根膜が失われ、アンキローシスにつながる可能性があります。
ちなみに先天的に歯が生える途中でアンキローシスが起こることもあり、こちらは原発性萌出不全と呼ばれ、詳しい原因はわかっていません。
アンキローシスのデメリット
アンキローシスを発症すると、矯正治療が受けられず歯並びが悪くなるだけでなく、噛み合わせも悪化します。
噛み合わせの悪さは、食事や発音など日常生活のさまざまな行動に悪影響を及ぼします。
またアンキローシスによって歯が動かない場合、周囲の歯に過度な力が加わり、歯周病や歯の破折のリスクが高まります。
さらに矯正治療中にアンキローシスが判明した場合、治療計画の変更や外科手術が必要になることも考えられます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・アンキローシスは、歯と顎の骨が癒着してしまい、矯正治療などで歯を動かせなくなる状態
・アンキローシスは主に外傷や炎症、先天的な要因によって引き起こされる
・アンキローシスを発症すると噛み合わせが悪化したり、歯周病や歯の破折のリスクが高まったりすることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!