不正咬合は簡単に言うと歯並び、噛み合わせの異常です。
よく知られているものとしては出っ歯や受け口、すきっ歯などが挙げられます。
またその他に正中の不一致というものがあり、こちらは歯列を正面から見たとき、違和感のある状態になっています。
今回は、正中の不一致における概要やリスク、治療法などを解説します。
〇正中の不一致とは?
上下の歯の真ん中の線が真っ直ぐになっておらず、ずれている状態を正中の不一致といいます。
本来、正中は歯の上下の中心が一致しているものです。
これにより、正しい噛み合わせを実現できます。
しかし正中の不一致が見られる場合、見た目だけでなく噛み合わせや口内の健康にも良くない影響を及ぼします。
〇正中の不一致におけるリスク
正中が左右非対称になっている場合、顎のずれが起こる可能性があります。
こちらは噛み合わせが左右にずれていることから、下顎が上顎の真下に来ず、顎がずれてしまうという仕組みです。
また正中の不一致が見られる方は、消化不良を引き起こすことも考えられます。
正中がずれていると、食べ物をうまく噛み砕くことができず、細かくならないまま胃に送られてしまいます。
その結果、胃の負担が大きくなって消化不良につながります。
さらに、正中の不一致は頭痛や肩こりなどの原因にもなります。
咀嚼時に使用される筋肉の一つに側頭筋がありますが、正中が真っ直ぐではない場合、側頭筋が無駄に使用されて頭痛を引き起こします。
肩こりに関しては、顎がずれて頭が斜めになり、首の両側にある広頸筋が均等に使用されなくなることで生じます。
〇正中の不一致は矯正治療で治せる?
歯科クリニックで矯正治療を受ければ、正中の不一致は改善できる可能性があります。
歯の生え方もしくは歯並びの悪さが原因でズレが生じている場合、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯を移動させれば、自然とずれは解消されます。
ただし、顎の骨が歪んでいたり曲がっていたりする場合、矯正治療だけでは治らないことも考えられます。
このようなケースでは、矯正治療を行う前に外科治療を受けなければいけないこともあります。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・上下の歯の真ん中の線がずれている状態を正中の不一致という
・正中の不一致は顎のずれや消化不良、頭痛や肩こりなどを引き起こす原因になる
・歯の生え方や歯並びが原因で正中がずれている場合、矯正治療で治せる可能性が高い
・顎の骨に問題がある場合、矯正治療とあわせて外科治療を受けなければいけないことがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!