虫歯を発症していることが判明した場合、基本的にはすぐに治療を受けなければいけません。
しかし、すべての虫歯でわかりやすい症状が出るとは限らず、場合によっては発症していてもなかなか気付かないことがあります。
今回は、発症していることに気付きにくい虫歯の主な特徴について解説します。
〇初期虫歯
初期虫歯は、脱灰が起こっているものの、まだ歯に穴が開いていない虫歯です。
C0と言われることもあります。
脱灰は、歯の表面のエナメル質が酸によって分解され、カルシウムやリン酸が溶け出す現象です。
初期虫歯の場合、まだ脱灰によって歯に穴が開く手前であるため、痛みなどの自覚症状はありません。
また見た目に関しても、歯質が溶け始めている部分が白い斑点のように見える程度であるため、しっかり見なければ気付くことができません。
ちなみに初期虫歯の状態で発見できれば、歯を削らずに治療できる可能性が高いです。
〇停止齲蝕
虫歯には停止齲蝕と急性齲蝕があります。
急性齲蝕は、急速に進行するタイプの虫歯であり、停止齲蝕は進行が遅く気付きにくい虫歯です。
大人の虫歯の多くは、後者に該当します。
また停止齲蝕は、痛みを感じることなくゆっくり進行するため、気付いたら重度になっていることが多いです。
ただし歯の色は黒くなっているため、日頃からよく鏡を見てブラッシングをしていれば、発症に気付ける可能性は高いです。
歯科クリニックの定期検診を受けていれば、より早期発見できる可能性は高まります。
〇見えにくい部分の虫歯
目視しにくい部分の虫歯も、なかなか発症に気付くことができません。
例えば歯の裏側については、前歯や奥歯に関係なく、鏡で見ても確認しづらいです。
また奥歯の溝についても、きちんと確認しなければ黒くなっているのかどうかがわかりません。
さらに歯と歯の間も、歯がちょうどくっついているところであるため、変色が広範囲に渡らない限り気付けないことがあります。
ちなみに、一度虫歯を治療した部分が再び虫歯になることを二次虫歯といいます。
二次虫歯は詰め物や被せ物の下で起こるため、非常に気づくのが難しいです。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・初期虫歯は症状が少なく、早期に発見するのが難しい
・停止齲蝕は痛みを感じることなくゆっくり進行するため、気付いたら重度になっていることが多い
・歯の裏側や奥歯の溝、歯と歯の間などにある虫歯も、目視では気付きにくい
・詰め物や被せ物の下で起こる二次虫歯も発見するのは困難
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!