GBR法は骨誘導再生法とも呼ばれるもので、インプラントを支える骨が足りない場合に行われる治療です。
またこちらの治療では、骨補填材や粉砕した患者さん自身の歯骨のほか、メンブレンという材料も使用されます。
今回は、GBR法で使用するメンブレンの概要や特徴などについて解説します。
〇メンブレンの概要
メンブレンは、顎の骨が痩せてしまった部分に対して充填する骨補填材、自家骨をカバーする人工の膜です。
こちらを装着することにより、GBR法をスムーズに進められます。
メンブレンがないと、歯茎が先に増殖してしまいうまく骨が増えません。
〇メンブレンの種類と特徴
GBR法で用いられるメンブレンには、吸収性メンブレンと非吸収性メンブレンがあります。
前者は骨の不足量が比較的小さい場合に使用する、体内で自然に吸収されるタイプです。
こちらは手術を一度で完了できるため、患者さんの身体にかかる負担が少ないという特徴があります。
また、手術後の回復の期間が短縮できるのもメリットであり、非吸収性メンブレンよりも早くこれまで通りの生活に戻ることが可能です。
一方、後者は骨の欠損が大きく、かなりの量の骨造成が求められるケースで使用されるタイプです。
主にチタンで作られていて、2回目の手術でメンブレンを取り除くとき、骨がどれだけ再生しているかを直接確認できます。
そのため、治療の効果を正確に把握することが可能です。
ただし複数回手術を行うことから、身体の負担や感染リスクについては、吸収性メンブレンよりも大きくなります。
〇メンブレンを使用する際の流れ
GBR法でメンブレンを使用するタイミングは、人工歯根を埋入し、骨補填材や自家骨を入れた後です。
骨補填材や自家骨を填入した露出部に対し、歯茎などの軟線維の混入を防ぐために、被せるような形で覆います。
またメンブレンの被覆が完了したら、歯茎を元に戻して骨の造成を待ちます。
骨の造成速度には個人差がありますが、一般的には4~6ヶ月程度で造成されます。
ちなみに非吸収性メンブレンを使用する場合は、骨造成後に患部から取り出す治療を行います。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・メンブレンは顎の骨が痩せた部分に対して充填する骨補填材、自家骨をカバーする人工膜
・メンブレンには吸収性メンブレン、非吸収性メンブレンの2種類がある
・骨の不足量が少ない場合は吸収性、不足量が多い場合は非吸収性を使用する
・一般的には、メンブレンを被覆して4~6ヶ月経つと骨が造成される
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!