インプラント治療を受けた後には、ズキズキとした痛みが出ることがあります。
外科治療を伴うため、こちらはある程度致し方ないと言えます。
しかし、治療後数年経ってから生じる痛みについては、トラブルが発生している可能性が高いため注意が必要です。
今回は、時間が経過してから生じる痛みの主な原因を解説します。
〇インプラント周囲炎
治療から何年も経っているにもかかわらず、治療箇所周辺で痛みが出だしたという場合、インプラント周囲炎を患っている可能性があります。
インプラントの周囲で発生する、歯周病と同じような症状がインプラント周囲炎です。
具体的には歯茎から出血したり、膿が排出されたりします。
また原因についても歯周病とほぼ同じであり、歯の表面や歯茎付近にプラークが蓄積することで起こります。
インプラント周囲炎を起こさないためには、しっかり歯科クリニックで治療後のメンテナンスを受けなければいけません。
〇噛み合わせの変化
インプラント治療から数年経過すると、人工歯根を埋め込んだときと比べて噛み合わせが変わってしまうことがあります。
こちらはインプラントを埋入した部分と、その反対側の歯のバランスが変わってしまい、インプラントにかかる負荷が大きくなっている状態を指します。
このような変化は疾患という扱いにはなりませんが、少しずつ噛み心地が変わってしまい、違和感や痛みにつながるケースもあります。
また噛み合わせのバランスが乱れた状態が続くと、インプラントの破損や動揺などにつながることも考えられます。
〇隣り合う歯の問題
インプラントそのものではなく、その隣り合う歯の周辺で虫歯などが見られると、痛みが強くなることがあります。
インプラントは人工物であるため、それ自体が虫歯になることはありません。
しかしインプラントのブラッシングを怠ると、隣り合う歯にもプラークが溜まってしまい、虫歯を引き起こすことがあります。
インプラントに隣接する歯が痛むと、口内の感覚としてはインプラントを埋入した箇所が痛むように感じるため、勘違いしやすいです。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・インプラント治療から数年経って痛みが出た場合、インプラント周囲炎を患っている可能性がある
・人工歯根を埋め込んだときと噛み合わせが変化すると、インプラントに負荷がかかって痛みにつながる
・インプラントと隣り合う歯が虫歯になると、インプラントそのものが痛むように感じることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!