歯周ポケット掻爬術(そうはじゅつ)は、歯周病の外科的処置の一つです。
耳馴染みのない言葉で、外科的処置というだけで不安になる人も多いはずです。
これから受ける人はどのような外科的処置なのか、理解することで不安な気持ちもなくなるでしょう。
歯周ポケット掻爬術について、解説します。
〇歯周ポケット掻爬術(そうはじゅつ)とは?
歯根の表層を覆っているセメント質に、付着した汚れや歯と歯茎の間にできた歯周ポケットの内側の感染した部分を清掃する外科的処置を、歯周ポケット掻爬術といいます。
歯周ポケット掻爬術を行う際は、歯茎に麻酔薬を注入するため処置中は痛みがありません。
ただし、処置後には痛むケースがあるので、痛むときは処方された痛み止めを服用してください。
歯周ポケットが4~5mm前後の軽度歯周病に行われる外科的処置で、汚れや感染したセメント質をスケーラーという専用の器具を用いて清掃します。
きれいになった歯根の表面に歯茎が付着し、再度汚れが溜まらないような環境を作ることが望めるでしょう。
手術に分類はされていますが、歯茎を切開はせずに手探りで汚れや感染したセメント質を清掃するので、歯科医師を信頼して処置を受けてください。
〇歯周ポケット(そうはじゅつ)掻爬術が適応されるケース
歯周ポケット掻爬術が適応されるケースは、以下のとおりです。
歯周ポケットが4~5mm前後
歯周ポケットに骨欠損がない
歯根の形状が複雑ではない
歯周ポケット掻爬術は、歯周ポケットが6mm以上になると目視が難しくなり、スケーラーなどの器具も届きにくくなります。
歯周ポケットが4~5mm前後の軽度歯周病でなければ、適応されないのです。
また、歯周ポケットが4~5mm前後であっても歯根の形状が複雑で、スケーラーなどの器具が届かないケースでは適応されません。
歯周ポケット掻爬術を行ったが症状が改善されないケースでは、歯茎を切開して感染部分を清掃する歯肉剥離掻爬手術が行われます。
歯磨きをすると出血することがあるなど、気になる症状がある場合は歯科医院を受診して歯周病の検査を受けてください。
〇まとめ
歯周ポケット掻爬術(そうはじゅつ)は、歯周病の外科的処置の一つです。
歯周ポケット掻爬術は、外科的処置ではありますが歯茎を切開せず、処置の際も歯茎に麻酔薬を注入するため痛みはありません。
ただし適応されるケースは限定されているので、歯磨きをすると出血するなどの気になる症状がある場合は、歯科医院を受診して歯周病の検査をするところから始めましょう。