インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、上部構造を被せたら一旦は終了します。
しかし、その後問題なく使用できるようにならなければ、治療は完全に終了したとは言えません。
また、場合によっては治療後に問題が発生することもあります。
今回は、インプラント治療後によくあるトラブルについて解説します。
〇痛み、腫れが引かない
インプラントの治療後には、なかなか治療箇所の痛みや腫れが引かないことがあります。
人工歯根の埋入は外科治療であるため、ある程度このような症状が出ることは致し方ありません。
しかし数週間、数ヶ月痛みや腫れが継続する場合は注意が必要です。
治療後の痛みや腫れは、通常数日程度で治まるものであり、長期間続いている場合は何かしらのトラブルが発生していると考えられます。
例えば人工歯根の埋入位置が不適切でない場合、神経に傷がついたり、他の歯の歯根に触れて痛みが生じたりすることがあります。
〇上部構造が破損する、外れる
インプラント治療後には、上部構造が破損したり、外れたりといったトラブルも起こり得ます。
こちらは主に、噛み合わせの調整がうまくいっていないことが理由です。
インプラントの対向歯とうまく噛み合っていない場合、上部構造への負担が大きくなり、割れたり外れたりすることがあります。
またインプラントと上部構造の間には、これらをつなぐアバットメントという部分がありますが、こちらが緩んでいることも破損などにつながります。
〇インプラント周囲炎
インプラント治療後のトラブルとしては、インプラント周囲炎も挙げられます。
インプラント周囲炎は、名前の通りインプラントの周りで起こる細菌感染や歯茎の炎症です。
こちらは天然歯で起こる歯周病よりも進行スピードが早く、重症化すると人工歯根が抜け落ちるおそれがあります。
またインプラント周囲炎の原因には、セルフケアが不足であることや、定期検診に通っていないことなどが挙げられます。
ちなみに極めて稀なケースではありますが、衛生管理が不十分な歯科クリニックでインプラント治療を受けることも、細菌感染やインプラント周囲炎のリスクを増大させます。
〇この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・人工歯根の埋入位置が不適切でない場合などには、インプラント治療後の痛みや腫れが引きにくくなる
・嚙み合わせの調整がうまくいっていない場合、上部構造が割れる可能性がある
・インプラント周囲炎は、主にセルフケアや定期検診が不十分なことによって発症する
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!