虫歯はある日突然発症するものであり、患者さん自身でその発症に気付くのはとても難しいです。
痛みが出始めたタイミングで気付いたとしても、それはすでに中程度にまで進行していることを意味しています。
今回は、患者さん自身で虫歯を早期発見するのが困難な理由について解説します。
初期段階では症状がないから
虫歯を早期発見するということは、言い換えれば虫歯が初期段階の状態で発見するということになります。
しかし、初期段階の虫歯はほとんど症状がありません。
そのため、患者さん自身で発症に気付くのはとても難しいです。
初期段階の虫歯は、わずかに歯が変色する程度であり、毎日しっかり鏡で口内を見ている方でも変化にはなかなか気付けません。
そのため、歯科クリニックの定期検診に通い、軽微な変化をチェックしてもらう必要があります。
見つけにくい場所があるから
虫歯と言えば、普段食べ物を噛む平面の部分に発症するイメージが強いかと思います。
しかし実際はそうとは限らず、患者さん自身では見つけにくい部分に発症することもあります。
例えば歯と歯の間は歯が接しているため、鏡で確認しても見た目の変化には気付けません。
また歯の裏側についても、鏡で見るのは困難であるため、虫歯が見つけづらいです。
特に、奥歯の裏側は一切見えない部分であり、見た目で虫歯の発症に気付くことは基本的にできません。
さらに、虫歯は一度治療した歯でも再発することがあります。
こちらは二次虫歯と呼ばれるもので、前回虫歯を治療したときに装着した詰め物や被せ物の下で発生します。
そのため、一切中を確認することはできません。
色が虫歯によって異なるから
虫歯を発症した歯は、基本的に一部が黒く変色しますが、すべての虫歯が黒く変色するとは限りません。
例えば初期虫歯の場合、黒ではなく歯が白濁するケースが多いです。
こちらは白からまた違った白への変化であるため、一目見て虫歯だと認識することは困難です。
また場合によっては茶色っぽく変色する虫歯もあり、毎日歯をチェックしている方でも、このような変色は見過ごしてしまう可能性が高いです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯は初期症状の場合ほとんど自覚症状がなく、患者さん自身で早期に発見するのは難しい
・歯と歯の間や歯の裏側などにできた虫歯は見た目の変化が見えないため、発見しづらい
・二次虫歯は詰め物や被せ物の下で起こるため、患者が見つけるのはほぼ不可能
・白や茶色など、黒以外に変化した虫歯は見過ごされやすい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!