“リグロス”は、歯周病の進行によって破壊された歯周組織を再生する薬剤です。
医科分野において、火傷などで失った皮膚の再生に使用されている薬剤と同じ成分でできていて、2001年から使用が開始されています。
今回は、歯周病再生療法に使用されるリグロスの主なメリットについて解説します。
優れた歯周組織の再生効果
リグロスの最大のメリットは、重度の歯周病で失われた歯周組織を強力に再生できる点です。
主成分は細胞増殖因子(bFGF)と呼ばれるタンパク質で、これは冒頭でも触れた通り火傷の治療などにも使われてきた成分を応用したものです。
歯科手術の際、骨が溶けてしまった部分にリグロスを塗布することで、周囲の細胞が呼び寄せられ、毛細血管が新しく作られます。
これにより、歯を支える歯槽骨、歯の根を覆うセメント質、歯と骨をつなぐ歯根膜といった組織が効率よく再構築されます。
従来の外科手術だけでは改善が難しかった歯の揺れを抑え、抜歯を回避して自分の歯を長持ちさせる可能性を大きく広げます。
健康保険適用による費用負担の軽減
リグロスは、2016年に世界初の歯周組織再生医薬品として承認され、日本国内では健康保険が適用される画期的な治療薬です。
かつての歯周再生療法は、その多くが自由診療であり、1歯あたり10万円~20万円程度の高額な費用がかかることが一般的でした。
しかしリグロスを用いた治療であれば、3割負担の場合で約1万円〜3万円程度で受けることができます。
この経済的なメリットにより、費用面がネックで治療を諦めていた患者さんでも、高度な再生医療を選択しやすくなりました。
すべての歯科クリニックで採用されているわけではありませんが、質の高い治療を標準的な医療として、手軽に受けられるようになった意義は非常に大きいと言えます。
高い安全性と手術の簡便性
リグロスは遺伝子組み換え技術によって合成された製剤であり、安全性が非常に高いこともメリットです。
他の再生材料には豚などの動物由来の成分が含まれることがありますが、リグロスは生体由来の成分を含まないため、感染症のリスクが低く、アレルギーもほとんどありません。
また歯科医師にとっても操作性が優れていて、ジェル状の薬剤を骨欠損部に塗布するだけで済むため、手術時間の短縮につながります。
患者さんの身体的な負担が軽減されるだけでなく、薬剤が骨欠損部にしっかりと留まりやすいため、安定した治療結果が期待できるのも特徴です。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・リグロスは、歯周病の進行によって破壊された歯周組織を再生する薬剤
・リグロスによる歯周病再生療法は、歯の揺れを抑え、抜歯を回避して自分の歯を長持ちさせる可能性を大きく広げる
・保険が適用され、費用負担を軽減できるところもメリット
・リグロスは安全性が高く、感染症やアレルギーのリスクもほとんどない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!








